ランニングの練習法

この本を読みました。
毎日長い距離を走らなくてもマラソンは速くなる! 月間たった80?で2時間46分! 超効率的トレーニング法 (SB新書)
タイトルを見ると「そんな馬鹿な」と思ってしまいますよね。興味津々で本を開いてみると、練習に自転車を利用するとのことで、「な〜んだ」とガックリしたのですが、読み進めると納得が行く内容ばかりで、とても参考になりました。読書ノートにメモをした内容を書いてみると、


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この本は「長距離ランナーにおけるクロストレーニング手段としての自転車運動の有効性」として2010年3月に筑波大学へ提出した博士論文の内容を中心に構成した本。


<長距離を走る練習を行う「距離信仰」の弊害の理由>
・故障のおそれがある
・運動強度の低下(走る長さにこだわると、スピードを上げるための訓練が乏しくなる)


<ランニングのパフォーマンスを決める要素とは>
・最大酸素摂取量
運動中に筋肉に取り込める酸素量の上限値。自動車に例えれば排気量のようなもの。最大酸素摂取量をより高めるには、かなりきついと感じる強度のトレーニングを積む必要がある。(インターバルトレーニング
・無酸素性代謝閾値
筋肉は酸素を取り込んで運動する場合と、酸素を使わない無酸素でもエネルギーが出せるシステムが備わっている。走るスピードを上げると、あるポイントを境に酸素を使ったエネルギーの生成経路だけでは、必要なエネルギーを生み出せなくなる。その境目の強度のこと。無酸素性代謝閾値が高い人ほどタイムがよくなる。
・ランニングエコノミー
ランニングフォームに無駄をなくすこと


レーニング量を減らし、強度の高いトレーニングを組み入れると、故障を防ぎながら、タイムをあげることが可能。この効果的な、そして強度の高いトレーニングをするのに自転車がもってこいとなる。
自転車は大腿四頭筋、内転筋群、ハムストリングの筋肉の活動レベルが高い。
ラソンを毎日走るランナーはいないが、自転車ではツール・ド・フランスのように長距離を連日繰り返すことが可能。それができるのは、ランニングでかかるような筋肉への伸張性の負荷が小さいから。
自転車とランニングを交えたクロストレーニングを行う。


LSDは不要>
インターバルトレーニングやビルドアップ走などのポイント練習で、最大酸素摂取量と無酸素性代謝閾値が上がっていれば、LSDをしなくても長時間体を動かす体力は養われる。


<月間走行距離にはこだわらない>
走力を決める最大酸素摂取量や無酸素性代謝閾値を高めるには、高強度(速いスピード)のトレーニングが不可欠


走力アップの要となるのは、ポイント練習。つなぎ練習は体力維持が目的だと割り切り、疲労に応じて距離を抑え、ポイント練習で高い強度のトレーニングができるようにコンディションを整える。
お尻の筋肉とハムストリングはスクワットで鍛える。ダンベルやバーベルを持って1度に4〜5回しかできない負荷をかける。スクワットジャンプでもよい。
縄跳びとスキップでランニングエコノミーを高める。


<トレーニング日誌を工夫する>
(本に書いてあった表をスキャンし参考にした)


フォームは意識から変える。フォームの修正で重視するべきなのは股関節を使った走り。
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本を読まないとわかりにくいと思うのですが、メモはこんな感じです。フルマラソンを毎日行うことなんて無いですが、ツール・ド・フランスの場合、フルマラソン並に負荷がかかる運動を連日行なっているということは、足や膝に負担が少なく心肺機能が高められる運動ということですね。それに長距離ランナーと同じスリムな体型の選手がほとんどで、無駄な筋肉がない細くスラリとした脚は、回転での重量の負荷が少なく、自転車にもマラソンにも向いているようなタイプです。
この本の著者は学生時代は陸上部の選手で、マラソンサブスリーランナーのため、本のサブタイトルのタイムを真に受けて、自分に当てはめてしまってはまずいのですが、練習の距離を伸ばすことよりも、質を高めることが重要ということを、この本で教えてもらえた感じです。ロードやクロスタイプの自転車を持っている方は、特にオススメの本ですね。