マラソンブーム、実は不健康?!

ポッドキャストでこのような意見が述べられていました。

ラソンブーム、実は不健康?!
荒川強啓 デイ・キャッチ!
「デイキャッチャーズ・ボイス」山田五郎氏 2012年7月19日(木)
http://podcast.tbsradio.jp/dc/files/yamada20120719.mp3

期間が過ぎるとポッドキャストをダウンロードできなくなるため、山田五郎さんの意見を要約してみると、

・マラソンは健康に良くないのは周知の事実
・勝利を伝えるためにマラトンからアテネまで走った兵士が「我軍勝てり」と叫んで死んだ。それをヘロドトスやブルタルコスが伝えているというのは、40kmも走ると屈強な兵士でも死ぬということ。そんなに走ってはいけないという教えである。
・マラソン中に、心臓の疾患て突然死する人というのが非常に多く、マラソンブームで増え続けている。
・ジョギングの効用を説いて世の中に広めたジョギングの教祖ジム・フィックスは、自分がジョギングしている間に心筋梗塞を起こして52歳で亡くなった。
・必要以上に走るのは、体に良くない、健康に良くない。
・ランニングは達成感があると言われるが、自分の好きなことを好きなやり方で頑張って、自分と同じ価値観の人だけに評価されればいいという考え方と取れなくもない。非常に自己満足と自分勝手と紙一重の達成感であり、自分にとって心地良いことだでけしか受け入れたくないというのが、個人競技の達成感についてまわる部分がある。

という意見でした。山田氏は運動が大嫌いということもありますが、マラソンブームで皇居を走るランナーが増え、問題点が多いこととも絡めて発言されていて、納得する部分もありました。全然運動していない人や、肥満の人が、いきなりマラソンするのも危険なのは当然のことです。
しかし、上記の理由を聞いてみると、かなりの偏見ですよね。私がランニングをしているから余計にそう感じるのかもしれませんが。

ラソンも、オリンピックを目指すアスリートレベルのトレーニング量になれば、身体にも健康にも良くないかもしれませんが、気持よくジョギングをし、徐々にレベルを上げ、年に数回レースに出て結果を残す程度のことであれば、肉体的にも精神的にもプラスになります。本当かどうかは、実際に試してみるとわかります。試したことがない人に限って、反論するような気がします。
心臓の疾患で亡くなるというのも、ランニングでなく仕事中でも運転中でも飲酒中でも起こることで、ランニングのように、運動をする準備や気構えをしてから望む場合の方が、いつもより身体のことを意識するようになるため、危険率は低くなるような気がします。特に普段のランニングは1人で行うため、ライバル意識がなく必要以上に無理をしないという点も、他のスポーツより危険率は低くなるかもしれません。仕事中や移動中など、普段なんでもないときほど、疲労などの蓄積もあり、危険度は高まるかと思います。

そして達成感に関しては、そもそも達成感というのは自己満足することであり、それがどんな分野でも同じ事です。東大を目指して合格をし卒業した場合でも、それが心地よいと思うのは自分であるし、認めてくれるのは同じ価値観の人だけです。東大を出た人は、教科書に書いていることを記憶し紙に移す能力に長けた人なのかもしれませんが、性格や協調性、自己管理や金銭感覚など、社会人としての能力が優れた人かどうかはわかりません。東大合格や卒業というのは、特殊なモノサシで認めてもらっただけに過ぎず、それに達成感を感じるというのは、自己満足以外の何物でもないと思います。
ヤクザが犯罪を犯し前科がつくと達成感を感じるのも、それは同じ価値観のヤクザの世界だけのことであり、一般社会では爪弾きにされるだけです。でも、本人にとっては達成感があり自己満足を味わえます。
それを言い出したらキリがないのですが、達成感や自己満足というのは、そんなものですよね。
大切なのは、それを達成したときに、自分にとってどんな利益があるかが重要です。ランニングの場合は、
健康的な身体がもらえる
食事がおいしくなる
太りにくくなる
健康体のおかげで医療費が減る
ささやかなレベルアップでも達成感や満足感が得られる
レースで楽しめ、結果が残せる
ランニングを通じて仲間が増える
趣味の中ではお金がかからないため他に使える
運動能力が上がるため、危険回避など有利なことがある
健康(生きること)を意識するようになる
他にもいろいろありますが、最後の「生きることを意識する」ようになることが一番大切ではないでしょうか。命を感じ今をしっかり生きることが一番大切なのは、天災や事故、そして震災であっけなく命を落としてしまった多くの方に教えてもらったことの一つです。ハッハッハッと息を吐き、タッタッタッと靴音を聞きながら淡々と走っているときに、「身体の細胞が一斉に喜んでいるぞ。おもいっきり生きてるぞ、俺」と感じるのですよね。

山田氏の指摘していた、皇居のランニングのマナーの悪さの点は賛同しますが、それ以外の部分は、運動を毛嫌いしているからこそ言える偏見のようでちょっと残念。ただ、いろんな考え方があることを知ることができた点と、今回自分の考えをまとめられた点は、ありがたかったです。