思考・発想にパソコンを使うな

思考・発想にパソコンを使うな (幻冬舎新書)
この本、とてもとても良かったです。
ペンと紙での手書きをすすめた本で、ノートをうまく活かす方法がたっぷり書かれています。
メモ術、手帳・ノート術の書籍は、すでにたくさん出版されていますが、どれも似たような内容ばかりで、読んだところでさほど参考にならないですが、この本は内容に納得がいくものばかりで、著者の体験を通じて具体的に書かれているため、早速真似してやってみよう!という気を起こさせてくれます。


例えば、「A社に納品(4/25まで)」というタスクのメモがあったとしたら、「A社にBを営業車で納品すること。4月25日までだが、本日中に済ませておきたい」と紙にスラスラ書いて文章化しておけばわかりやすくなり、
「Cさんを見つけて、新製品についての話を少ししたほうがいい」など思いついたことも書き出すことができます。単に「A社に納品(4/25まで)」と書いてあるものを実行することを思えば、文章化されているとずいぶん違いますよね。
「”時間3倍活用術”の本を読む」というタスクがあったとしたら、「1週間前に買った”時間3倍活用術”を読みたいと思うのだが、なかなか本を手にする時間がない。できれば、今日寝る前に5ページだけでも読もう。」と書いておけば、具体化されているので実行しやすいです。


・わかりきったことを書かないのが「メモ」、わかりきったことを書くのが「ノート」。メモや手帳は、他人が見ても何が書いてあるのかわかりづらいものだが、誰にでもわかるように書いてあるのが「ノート」である。
・ノートは「書く」という行為だけでなく、本のように「読む」という行為も、ノートと付き合うにあたっては、重要な形である。
・大切なのは、感覚的にわかっていることでも、それを文章化すること。それによって、より深い理解が得られたり、発見があったり、うまく部下や同僚に伝えることができるようになる。
・人に言いたいことを、自分の心の中だけに留めておくのは結構なストレスで、吐き出してしまうほうが楽。そのためにもノートを使う。
・大量の情報を収集するだけして溜まってはいるが、あとから活かせないのは一番ダメ。パソコンの中を見てみると、不要な情報がたっぷり溜め込まれたまま忘れ去られ、日の当たらないところに埋もれているのが現実。
そこであえて、紙に書き写すアナログな方法をとったほうが、価値のある情報ストックができる。
・ノートと言うものは、作り方の技術や見栄えの良さでなく、出来上がったページをあとから読もうと思う気持ちが起こるか、すなわち、あとで参照して活かせるかという点こそ、本質があるのだ。


といった感じの内容が、具体例を交えながらいくつも書いてありました。パソコンはアナログに比べてはるかに便利ですが、便利すぎて頭が麻痺してしまい、集中力も欠けて他ごとを考えてしまいがちですが、下手な文字でもいいから紙に書くことを行なうと、集中力も上がるし、モニターに映る文字を読むよりも、紙に書かれた文字を読むほうが、不思議と理解度も深まります。多分これは、子供の頃から紙とペンでの教育を徹底的に受けてきたから、余計にそう感じてしまうのかもしれませんが、すぐにでも取り組むことができることだけに、この本に書いてあったことを参考にしながら、iPhoneでのメモ、100円ノート、B5ノート、そしてパソコンをうまく併用して、実践してみようと思いました。