ランキングトップに躍り出たアプリ

11万5千円のアプリが115円になったということで話題になったこのアプリ。App Storeのレビューには賛否両論あるようですね。
"Classical Music Master Collection(App Store)"
中には高額だったときの販売金額を間違えたのでは?といった意見もありますが、そんな馬鹿なことをしたらすぐに修正するだろうし、開発元のVanilla Breezeのサイトを見れば、そこにもちゃんと$999.99と表示されています。
このアプリには800曲以上ものクラシック音楽があるそうですが、著作権があれば仮に1曲150円とすれば12万円となるので、定価の価値はわからんでもないですが、それを115円でアプリを公開できるのは著作権が切れているため。これだけの音楽を集めて1つのアプリで聴けるようにしたので、115円という価値はあるかもしれませんが、1.7GBほどもある容量では、iPhoneのメモリを圧迫するし、ダウンロードの際でもサーバーに負荷をかけているでしょうね。もしこれが無料アプリなら、Appleは審査を通さなかったかもしれません。11万5千円なら、その販売価格の3割の利益が得られる(違ったかな?)Appleは、もちろんOKを出しますよね。まさか115円に値下げするとは思ってもいないだけに、今頃憤慨しているかもしれませんw

このアプリを買って、著作権の切れた古いモノラル音源でも、アプリの操作性が悪くても、十分堪能できる方ならいいのですが、今回このアプリがランキングトップになったのは、そういった一部のマニアな方が多かったからではなくて、あれほど高価だったアプリが極端な値下げになったという点で興味を持って買った方や、山ほどクラシックが聴けるのなら115円でもいいよね。と思った方が大半ではないでしょうか。私もそうです。それだけに、BGMとして聴くにしても音がイマイチで、ましてやiPhoneのメモリの空きを圧迫してしまうようでは、ネットラジオのほうがいいやってことになってしまいますね。
それに、クラシックマニアな方でも、著作権が切れているほどのものなら無料で自由に受け渡しできるので、お気に入りのものがあるのなら、すでにネットで手に入れコレクションにしていることでしょう。


結局、一番喜んでいるのはこの開発元ですよね。普通に115円で販売したら、ごく一部の方には喜ばれるのかもしれませんが、App Storeでは存在すらわからなくなってしまうほど人気が出ないかと思われます。それを、故意に高額な設定にし、日を置いて過激に値下げすれば、話題になるのも当然で、ランキングトップに躍り出るほど売上が伸びたのは、この販売方法のおかげですよね。
もう2度と使えない手ではありますが、この開発元の商法は、販売価格を自在に変更ができるApp Storeの特徴と、ブログやTwitterなど情報が手に入りやすく、話題に群がりやすいiPhoneユーザーの心理を突いた、素晴らしい手法だったのかもしれません。他のアプリでも、短期間にころころ販売価格を変えてバーゲンセールとうたっているものがありますが、このアプリを見習えって感じですw
Vanilla Breezeさんは、おもちゃ箱の中身を覗いたような楽しい系のアプリを多く作られているようですが、今回、このアプリのおかげで異常なほど多くの売上があがり、今年のクリスマスや年末年始はハッピーにすごせそうですね。App Storeのレビューに私も書いたのですが、アプリ代ではなく勉強代として、115円を喜んで支払うこととします。