iPadと1ヶ月。正直な感想。

iPhoneがでかくなっただけじゃん。と思って最初は物欲がわかなかったiPad。しかし、今までにない新たな試みの端末であったり、アプリの開発が期待される点など、iPhone同様に、実際に手に入れたら幸せになれるのは間違いないかもと思いゲットしたものの、正直な話、iPhoneネットブックほどの喜びは得られていないのが本音です。なぜかと言いますと、
液晶が見づらい。
入力がダメ。
アプリのアイコンの並び。
重い。
キラーアプリがまだ少ない。
iOS4でない。という5点。
■液晶が見づらい
液晶が見づらいというのは過去にも書いたことなんですが、写真や動画、ウェブやゲームなどはとてもきれいに見えるものの、表面が平らなガラスのため、反射や映り込みが激しいのですね。PCのように反射がしにくいような表面処理はなされていないし、iPadは普段使う角度がPCよりも天井向きのため、余計に照明の映り込みを起こしてしまいます。
■入力がダメ
これは、ソフトウェアキーボードのできはいいのですが、変換辞書がダメ。特にiPhoneiOS4になり辞書性能が上がっただけに、余計につらく感じるようになりました。
また、iPhoneなら比較するのはケータイや他のスマートフォン。辞書の性能がやや劣っていても、指の動きが少ないフリック入力が可能なため、親指連打のケータイや、小さく打ちづらいハードウェアキーボードのスマートフォンよりは快適です。しかし、iPadと比較する相手はケータイではなくノートPC。そのため、変換候補の種類だけでなく、文章単位での変換能力や、変換範囲の再選択など、IMEの能力がある程度高くないと、入力をするたびにストレスがたまります。
■アプリのアイコンの並び
iPhoneはホーム画面では横向きにできませんがiPadは可能。しかし、アイコンはドック部分を除くと縦4列、横5列。そのため、iPadを横向きにすると縦5列、横4列となり、アイコンの配置がずれてしまうのですね。操作に慣れてくればアイコンの種類を見て選択するよりも、アイコンの配置を記憶して選択するだけに、縦と横で配置が換わってしまうようでは直感的な操作ができません。ドック部分は5列なだけに、何で縦横5列ずつにしなかったのか不思議です。
■重い
iPhoneよりは当然重いですが、ネットブックよりは断然軽いです。しかし、iPadは机の上に置いて使うマシンではなく、基本は手持ち。そのため余計に持ち重りを感じてしまいます。また、ゲームにしても、コントローラーになるものがiPad本体となってしまうため、当然重く感じてしまいます。こういった形状のものとなると、雑誌程度の重さまで軽量化しないことには、重く感じてしまっても仕方がないかもしれません。
キラーアプリがまだ少ない
iPhoneの場合はキラーアプリは多いですが、iPadとなるとまだ少ないです。アプリは今でも数量はあるのですが、レスポンスが悪かったり、広い解像度を活かしきれていなかったりするものが多く、iPhone用のものをiPadの画面サイズに合わせただけで機能は一緒といったものも多いです。また、いくらいいアプリが出たとしても、先に書いたようにテキスト入力がいまいちなため、テキストエディタ系のアプリはOSに足を引っ張られそうです。
ただ、iPadが売れているだけに、アプリの開発競争は激しくなるだろうし、秋に出るiPad版のiOS4で使い勝手は上がるだけに、この欠点は今後は改善されると思います。
iOS4でない
iPhoneを持っていない人がiPadを購入した場合は何とも思わない内容ですが、iOS4iPhoneを使い慣れてしまった私のような人の場合だと、iPadが使いづらく感じてしまうのは間違いないです。それにiPhoneはこのOSのおかげでBTキーボードも使えるようになっただけに、iPhoneより入力が快適だったiPadも、今では逆転してしまいました。
いずれはiPadiOS4の導入がなされますが、情報では11月頃という話もあるだけに、まだ結構先ですよね。また、OSのアップデートは年に1回だけでなく、半年単位での細かなアップデートもしてくれるとうれしいのですが。


というわけで、iPadを買って1ヶ月。ウェブやPDF、雑誌、動画、写真などが見やすいおかげで、ネットブックよりは使用頻度が高くなっていますが、私の場合はテキスト入力の弱さが最大の欠点。そのため、インプットではなくアウトプットデバイスとして活用している状態です。手書きの場合は、最近になって筆記のレスポンスがいいiDraftが登場したり、ラインの滑らかさは劣るものの紙のノートのように使えるNote Taker HD、iPhoneでもおなじみのFastFingaなどは便利なためインプットとして使えますが、メインはビューアですね。特に雑誌が読めるビューンや、広告が読めるチラシアプリShufooYouTubeなどはとても見やすく扱いやすく、さすがiPadといった感じです。
ただ、iPhoneを買ってからはPCの使用頻度が激減したのですが、iPadとなるとノートPCは必要でこの代わりにはなりえません。このあたりをわきまえて、それぞれの長所を引き出しながらうまく使い分けるようになるといいのかもしれません。
例えば、研修や講義など、人の話をどんどんテキスト入力する必要がある場合はノートPC、ミーティングや勉強会など、資料を見たりメモをしたりする場合ならiPad、仕事でオフィスファイルを扱ったり、読書ノートとして本文を抜書きしたりするときはノートPC、旅行で旅日記をつけたり、多くの情報を保存しておき出先でその都度閲覧したりするにはiPad。そして遊びや娯楽に使うには当然iPad。といった感じでしょうか。
iPadの長所と短所を天秤にかけると、今の私の評価は100点満点中、70点くらいかな。今後のアプリの進化とiOS4の導入でかなり得点は上がりそうです。