最近読んだ本

NHKスペシャル グーグル革命の衝撃
NHKスペシャルで2007年1月に放送された番組を本にしたもので、私はこの番組は見たのですが、テレビ番組の内容というものはいかに内容が薄く量が少ないものかがこの本のおかげでよくわかりました。
あるテーマに関して長期にわたって綿密に取材を繰り返し、多くの映像を収めても、放送時間は限られているだけに、せっかく集めた貴重な情報の大半はカットしなければなりません。しかし、本なら映像は写真のみになりますが、取材で得た内容は詳細に伝えることができます。
プロジェクトXや仕事の流儀など、番組の内容が書籍化されたものはいくつかありますが、物語のような内容なら、かいつまんだ情報のみの放送になってしまっても、おおよその内容はつかめるのでいいのですが、NHKスペシャルのようにレポートのようなタイプの内容のものは、番組だけでなく書籍でしっかり内容をつかんだほうが良さそうですね。


グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)
またGoogleなんですが、こちらの本はまだ新しいです。Googleの元最高情報責任者であるダグラス・C・メリル氏が書いた情報整理術の本ですが、はっきり言って、外人さんの著書は読みづらい。訳が悪いわけではなく、日本語で日本の教育を受けた一般的な日本人からすると、伝え方が回りくどく感じたり、たとえがピンとこなかったりします。単純な内容でも話がややこしくなってしまうのもあって、外人さんの書籍はページ数も多いですよね。この本も新書版に近いサイズでありながら366ページもあります。
この本を読むポイントは、最後の訳者のあとがきを先に読むこと。ここで本の内容や著者の言いたいこと、書籍の目的などがわかりやすく書かれています。この内容を踏まえて読んでみると、とても把握しやすいように感じました。


クラウド・コンピューティング仕事術 (朝日新書)
自宅ばかりでなく、モバイル環境でも高速な常時回線が一般的となり、端末にアプリを入れるのではなく、ウェブ上でアプリを動かして使うクラウドサービスが効果的に使える環境が整ってきましたが、それらのツールを効率よく使うための方法が非常にわかりやすく書かれていました。すでに活用している内容が多かったのですが、復習という形で読むことができ、とても参考になりました。


成功している人の新習慣「1分間記録術」
「いつまでもデブと思うなよ」の岡田斗司夫氏の書籍で、効果のほどを知らしめたレコーディングダイエット。記録するという効果は、過去を振り返ることができ、達成感も味わえてよい方法なんですが、面倒くさいのが難点。
iPhoneアプリではRecRecDietが有名ですが、よほどやる気があるか、マメな性格でない限り、コンスタントに記録を続けている方は少ないような気がします。
この本も、日々の記録の方法と効果を説明したものなんですが、自己啓発本には、著者の教養をアピールするかのごとく、故意に話を難しく書いたり、横文字を多用したり、他の書籍の引用を繰り返したりする類の本がありますが、この本はその手のタイプの本ではなく、とても読みやすくわかりやすく書かれています。自分も記録することに挫折しがちなのですが、こういった本を読むとやる気がでますね。数日は。。。


見通す力 (生活人新書)
説明がとても整理されてわかりやすいものの、テレビやラジオではやや話が長すぎとなってしまう池上氏ですが、書籍での説明はまとめられているので、短時間で読むことができました。
先を見通してみたいテーマを見つけ、情報を集めて選別し、自分なりの仮説を立て、その仮説を検証。もし間違っていれば、さらに情報を集めて仮説を立て直し、再度検証し、見通す力を養おうという内容なんですが、数あるニュースや情報でも、自分なりに仮説を立てて、その正確性を検証できるようになれば、説得力のある意見を発言できるようになるのでしょうね。
ただ、仮説が正しかったか間違っていたかを確認するのは先の話になってしまうのと、自分の仮説が間違っていたと認めたくはないのが本音で、無理やり仮説を正当化しようとしてしまうこともあるだけに、見通す力をつけるのはかなりハードルが高そうな気がしました。


僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実
奈良で起きた少年の放火事件の内容を記したもので、供述調書が漏れてこの本に書かれてしまい、漏らした医師が逮捕されるという展開になってしまった曰く付の本ですが、その件は置いておいて、この父親と息子、そして家族間の関係や性格など、いろんなものが絡んではいるものの、やはりこの父親は異常ですね。この事件の加害者は息子となっていますが、本当の加害者はこの父親で、息子は被害者だったことがこの本を読んで理解できました。
子供を教育する立場の人間を教育する手段は、誰も教えてくれる人がいないとなると、自ら進んで学ぶか、経験を重ねるしか方法がないだけに、その力が劣る聞く耳の持たない親がいる以上、こういった事件はなくならないような気がしました。


そして学校でも、高度な数学などの勉強でなく、人間力を養う教育をすればいいですよね。大学受験で出題される数学の複雑な問題が解けた解けないで、次の教育を受ける機会をなくしてしまう受験というものも異常。社会に出て何の役にも立たない数式問題が解けるというのは、ロールプレイングゲームで全面クリアできるようになったのと同じこと。考える力を養うのが目的というのなら、こういったゲームでも一緒ですよね。
人間として生まれて幸せとは何か、その幸せを得るのに、社会に出てどうすればいいのかをしっかり学ぶ教育をすれば、まともな人間が増えて、こういった事件も減るような気がします。学校教育も挫折して、人間力を養う教育も受けていないとなると、えらそうなことを言うだけの、私のような人間が増えるだけですw