ホメオパシー

通常の医療で治るものを、ホメオパシーなる治療法を行ってしまったため、新生児が亡くなってしまったり、病状が悪化するニュースがありましたが、この事件のおかげでこのホメオパシーが注目をされています。特に朝日新聞は、この件に関して多くの記事をアップしています。
200年も前に始まった治療法で、毒を徹底的に砂糖水で薄めたレメディというものをクスリとして使うそうで、科学的にはというか、一般的な常識からしても、効くわけがないような代物ですが、クスリや治療法というものは、その威力を信じれば信じるほどプラシーボ効果が働き、効果が体感できてしまうため、効いてしまうのかもしれません。そして、信じる気持ちが強く効果があった人は、こんないいものがあると他の人へ伝授する。内容が非科学的で、それを信じて広めるあたりは、新興宗教と似ていますね。
私はこのホメオパシーはまったく信じませんが、だからと言って、西洋医学もあまり信じておらず、よほどのことでない限り病院も行かないしクスリも飲みません。これだけお金と頭脳をつぎ込んだ西洋医学でさえ、いまだに風邪を根本的に治すことすらできませんもんね。風邪をひき、せきや熱が出る身体の諸症状は、治癒のために必要がある正常な身体の発作であり、それをクスリで麻痺させるという今の西洋医学は、異常と言えます。
一番のお医者さんは自分の体内に備わった自己治癒力や免疫力。それを助けるためにいろんな手法があるのですが、それが化学の力だったり、薬草の力だったり、精神的な力だったりと、多種多様にあるわけで、「痛いの、痛いの、飛んでけー」というおまじないでも、自己治癒力の威力を増幅する働きがあると思います。
おなかが痛くなって身体を丸めて下腹を手で押さえたり、指をドアに詰めた時に、痛い!と言いながらもう片方の手で指を握り締めたり、頭痛の時に目頭を押さえたりしますが、これも「手当て」という立派な治療法のひとつです。そう思うと、物理的な効果だけでなく、精神的な効果も治療としては有効な手段の一つで、プラシーボ効果で自己治癒力を促すホメオパシーでも立派な治療法となりますよね。
明らかに害がある薬品や治療法だったり、西洋医学では治るものを、それを無視して祈祷で治すといった非常識なものはいけませんが、自分の自己治癒力がアップできるものであれば、いろいろ試して見る価値はあるのかもしれませんし、これはダメ、あれもダメとは一概に言えないと思います。
特に、がんの末期患者のように、西洋医学からも見放された場合などは、いろいろ試したくなりますよね。しかし、そういった弱みに付け込んで商売をする人たちもいるだけに、注意をしなければいけません。
ただ、それぞれの治療法の効果の長所と短所を偏見なくきちんと説明できるレベルまで理解したものであれば、何をしようと個人の自由であって、今回のホメオパシーのように、徹底的にその治療法を断罪するような動きは違和感を感じます。
Twitterでも、ホメオパシーを取り入れている方が見えて、十分効果があったと言っていました。ホメオパシーに関しては、服用しても害はないし、本人が効いているのであれば、それはそれでいいのではないでしょうか。


特に、運動もせずに年老いてしまい、身体のあちこちが痛くなるのは仕方がないことなのに、日課のように病院へ通い、大量のクスリをもらい、高額な医療費の大半を保険でまかなってしまっているような方は、こういった保険の使えないホメオパシーのようなものにはまっていただき、自己治癒力を高めてもらったほうが、自分のためであり社会のためにもなる気もします。