最近読んだ本

最近読んだ本で印象に残っているものは、
やめられない ギャンブル地獄からの生還
ギャンブルの依存症について書かれた本で、ギャンブルの中でもパチンコとスロットを主題にしていました。本の前半はパチンコに狂ってしまう手記が複数書かれているのですが、悲惨の一言です。借金地獄です。また日本のギャンブルに関しての矛盾や法の甘さも指摘されており、うなずけるものばかりでした。極度のギャンブル依存症というのは、脳に異常のある病気扱いにするべきものらしく、アルコール依存症などと同様に、通院とGA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループに参加し、更生していく必要があるそうです。依存症に関しては、麻薬脱出という本もインパクトがあり、こちらはシンナーに狂う人の手記が強烈で、一読の価値ある本かと思います。
依存症はこういった非常に危険なものもあれば、ゲームやネット、ケータイ依存症というのもありますね。2チャンネルも依存症の方が多いのではないでしょうか。最近ではTwitter依存症もありますね。こういったものはアキバの特殊な事件などを除くと、危害を加えるような危険性はほとんどないものの、どの依存症も猛烈に時間と集中力を消費してしまいます。これに使った時間や能力を学習や実生活に使えば、かなりのプラスになりますよね。子供なら親が注意しますが、大人は誰も注意してくれないため、自分で気付く以外は抜け出す方法はないだけに、限られた自分の人生の時間を無駄に浪費しないためにも、こういった依存症の本で脳や習性の仕組みを確かめつつ、修正していきたいもんです。


和解する脳
些細な喧嘩、裁判、戦争など、争いは絶えないのですが、それだけに、和解という思考が非常に重要になってきます。脳を研究している薬学博士の池谷教授と、弁護士の鈴木氏の対談によるこの本、非常に有益な解説が随所に織り込まれており、参考になることばかりでした。池谷氏はこれまでにいくつか本を出されており、わかりやすい説明に定評がありますが、弁護士の鈴木氏の体験談も興味をそそるもので、なるほど納得した次第です。
人間は人から言われたことでなく、自分が決断したことに対しては肯定的なため、争いを和解するためには「これでいいんだ」という自分自身の決断と、それに対するうまい言い訳を探すことが必要とのこと。こういう理由だから仕方がないと納得できるような論理を示すことが和解には重要なんだそうです。それだけに、争い中でもこういった思考になれるような冷静さと、自らを客観的に見つめられる視野も必要なんでしょうね。


ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング (創元社ビジネス)
速読術や読書法など本が多く出まわっていますが、私はこの本に書いてあることこそ、読書には重要と感じました。そもそも、短期間に大量に本を読んだり、人一倍速く読んだところで、読書は読むことよりも理解することが重要なんだから、その自分のインプット脳力を超えた速度や量をこなしてしまっても、脳を素通りするだけなんですよね。頑張って読了したところで何も残らず、大量インプットも結果的には時間と労力の無駄になってしまいます。また、速読術や読書法をせっせと書いている著者の大半は、尊敬できる経歴や実績の持ち主でない場合が多いのですよね。私自身の読書法は、多くの情報から良い本を見つけられるようになることと、良書は何度も再読すること、読書ノートやメモを取りたまに読み返すこと、ブログや人、あるいはひとりごとでいいのでアウトプットすること。この点を習慣化して本に関われば、自分にプラスになるのではないかと思っています。ちなみにこの本も今回再読です。


大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)
これは分子生物学者の福岡伸一氏が、週刊誌の連載コラムで取り上げていたテーマにこの本が紹介されていて、図書館で借りて読んでみました。翻訳本ですが非常に読みやすく、長期間の漂流による水や食料不足の苦しさや、恐怖、孤独、心の動きなどが鮮明に記録され、まるで自分がその主人公になったような錯覚になります。私はこの本を読むときには、BGMに海の音の環境音を鳴らして、「いつ助かるんだ?」「このまま死にたくない」「この場から救ってくれ」「コンチクショー!」などともがきながら読んでいましたw


東大生の論理― 「理性」をめぐる教室
難しい本なのかと思ったら全然そんなことはなく、すごく楽しめる本でした。この著者が非常勤講師として、東大生の授業を受け持ったときの講義の内容が、この本に収められているのですが、三角関係などの男女の恋愛を例題に出し、そこから論理的な思考に結びつけたりするためテーマにハマりやすく、また、その授業で発言される東大生の意見がとても面白かったりします。この教授の本、他のものもいくつか出ておりアマゾンでも評価が高いため、すべてチェックしてみようと思いました。