最近読んだ本

クラゲに学ぶ―ノーベル賞への道
ノーベル賞を受賞した下村脩博士の自伝。私は恥ずかしながら、この博士のことは全然知らなくて、研究成果の内容を知ってもいまいちピンとこないのですが、この本は子供の頃から受賞までの下村氏の生い立ちを非常に細かく書いてあり、戦前戦後の日本での出来事や、長崎での原爆体験、1960年代のアメリカでの生活など、とても興味深く読める内容となっていました。息子さんと娘さんも極めて優秀な方で、息子さんは飛び級で13歳ですでに高校生であり、その後、物理学者に。コンピューターセキュリティの専門家となって、テイクダウンというハッキングをテーマにした著書を出版。それが映画ザ・ハッカーの脚本となったそうです。娘さんは大学をいくつも合格し、スタンフォード大学に進学。息子さんと同じく飛び級をしていたため、大学入学は17歳。卒業後、フルブライト奨学生としてアイスランドの大学の留学を終え、コーネル大学の博士過程を経るという、すごいとしか言いようがない経歴です。


[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!
文房具の活用に関して書かれている本なのですが、便利な文具の紹介だけにはとどまらず、付箋やマスキングテープの便利な使い方、ノートや手帳、クリアフォルダの活用方法など、すぐに始められるハックが満載で、とても充実した内容となっていました。オススメ本です。


iPadバカ タブレットにとり憑かれた男の究極の活用術
上記の文具術の著者、三崎氏が書かれた本で、iPadの活用法が書かれています。iPad関連の本は、基本的なiPadの使い方とか、有名なアプリの紹介の内容の本がほとんどですが、こちらの本は、初歩的な内容よりも、実践的な使いこなし方が書かれているため、非常に参考になりました。


贖罪
あの事件の内容が最初に書かれているのですが、その部分は泣いているシーンがかなり多く書かれていて、本の残りの大半は自伝とお気に入りの写真で埋め尽くされていました。ノリピーのファンでもない私が読むには厳しい内容。アマゾンでの評価は星1つのオンパレードで、事件だけでなくこの本を出してしまった点でも、ますますイメージダウンしてしまったようです。


ライフハッカー[日本版] 辛そうで辛くない人生と仕事が少し楽になる本
lifehackerのウェブで紹介された内容を抜粋して書籍化したもの。そのため、ウェブページをほとんどチェックしていない方向けの本。便利は内容もあるのですが、文化や言語、生活などが違う海外の方の書かれた内容を翻訳してあるものもあるため、日本人に浸透しやすい説明や内容かどうかは微妙。自己啓発本などでも、海外の方が執筆した本は、なかなか日本人には理解しづらかったり、受け入れにくいものが多いですよね。


 阿寒に果つ (ポプラ文庫)
小説は滅多に読まないのですが、この本は前から読もう読もうと思っていて、携帯性のいい文庫本が出たので読んでみました。内容を説明してしまうと、まだ読まれていない方はつまらなくなってしまうので、内緒にしておきます。


イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫 1871)
上巻と下巻に分かれて分量の多い本ですが、130年ほど前に書かれた昔の本にしては、訳がいいおかげなのか非常に読みやすく、どんどん読み進められました。イザベラ・バードというイギリスの女性が、当時の日本を旅した見聞録で、明治初期の頃の庶民の生活がとてもリアルに書かれています。本人が描いたものかどうかはわからないのですが、ペンで詳細に書かれたスケッチの挿絵は見事なもので、当時の建物や人物の様子が正確に再現されています。一緒に旅をする通訳兼ガイド役の伊藤氏の存在も大きく、物語の面白みに一役買っていました。
この当時、すでに経済が栄えていたイギリス人の著者が、発展途上の貧しかった日本の印象を素直に書いているため、日本人が読むと不快に感じる点もありますが、ありのままの日本を知る意味においては、とても参考になるものだと感じました。