節電

電力会社やマスコミは節電しましょうと呼びかけていますが、実際のところは節電する必要はなく、電力会社や原発推進派が原発の必要性を正当化させるために節電しようと言っているような気がします。これが事実であれば、節電で熱中症になって亡くなってしまった場合は、天災でなく人災ということになりますね。


私は震災後、続々と出版される原発関連の本を何冊か読んだのですが、この本がもっともわかりやすく的確に説明されており、とても参考になりました。
原発のウソ (扶桑社新書)
小出氏はずいぶん前から原発に対して疑問を投げかけており、「隠される原子力・核の真実」という本も出されているのですが、それを改めて書き直しまとめた本がこの「原発のウソ」です。
他にも広瀬隆氏がいくつか本を出されていますが、読みやすくわかりやすいものの、若干感情的になっているのが気になったのと、武田邦彦氏の本もとてもわかりやすいのですが、原子力委員会に在籍していたのもあってか、事故があったら手に負えない危険な原発に対して、その存在を否定していない点に違和感を感じました。今は亡き高木仁三郎氏の「原発事故はなぜくりかえすのか」という本も読んだのですが、このような良書を、今回の最悪の事故が起きてから読んでいては遅すぎますね。広河隆一氏は過去の原発事故を解説検証している本をいくつか出されていて、原子力の怖さを知るのに役に立ちました。


結局のところ、原発は電力会社やゼネコンなどが絡んだ利権まみれの産物で、事故があったら取り返しのつかない大惨事となる危険な発電装置であるということ。原発から得られる電力は全体の3割とは言うものの、原発を動かしたいがために、火力や水力の発電を故意に抑えているのが実情。天然資源の確保と言っても、化石燃料よりも原発の燃料であるウランのほうが乏しいのが事実。CO2削減というのもウランを取ったり発電所を作ったりなどで猛烈に排出されているし、原発で作られた熱の大半は発電でなく海を温めることに使っており、地球温暖化を進め海洋生物の環境を壊してしまっている。さらに原発は処理に困る死の灰ができてしまう。作られた電力も需要に対して過剰なので、深夜電気を値下げしてそれを消費する温水器やエコアイスなど、保温で無駄に電力を消費してしまう電気製品を作ってみたり、余剰電力を無駄にしないためにダムの水を下から上に組み上げる揚水式発電を膨大なお金で作ったものの、その仕組み自体に無駄が多すぎて電力を浪費してしまったり、危険だからと人口密度の低い場所に原発を作り、はるか遠方から建設費の高い鉄塔や、抵抗や発熱での無駄がある送電線を張り巡らし、そこでもお金と電力を浪費したりなど、よくもまあこんなに無駄ばかりの仕組みを考え出したものだと、別の意味で尊敬してしまうありさまです。


電気代も日本は世界一高いそうなんですが、電気代は発電にかかる費用や人件費などの支出だけでなく、設備などの資産に対して必要な額を上乗せして電気代に請求してもいいという法律があるため、原発を作れば作るほど儲かるそうです。つまり国家までグルなんですね。そんなことになっているにも関わらず、平気で電気を浪費し電気代をせっせと払っている私たち国民は、アホとしか言いようがないです。


とりあえず、私を含めたアホな国民が今できることは節電。それは電力が足りないわけでなく、この電力会社に払う電気代がもったいないからという意味で。今回は東電が槍玉に上がっていますが、どの電力会社でも仕組みは同じかと思います。
私がしていることは、
・テレビは極力見ない。
(見るなら録画し、CMを飛ばして短時間で見るようにする)
・デスクトップPCは使わず、iPhoneやノートPCを使う
・夜は網戸にしそこに扇風機を置き、上半身裸
(但し、暑すぎる時はエアコンを利用。濡れタオルで身体を拭くと気化熱で涼しいし、バブシャワーを使っても快適)
・洗髪後はドライヤーは使わず、タオルドライ
・部屋の明かりは消して、蛍光灯のスタンドライトのみ
(置き場所に工夫すると雰囲気がいいし、涼しく感じられる)
・白熱球を球型の蛍光灯タイプに変える
(ワット数を下げても十分明るい)
・常夜灯はLEDに
(通常のライトのLEDはまだ高いが、常夜灯のものは安価)
・飲み物は保冷性の高いテルモスを自宅でも使う
・洗濯はまとめてする
(汚れた洗濯物を長期に置くのが不快なら、水を貯めた洗濯機につけ置きしておけばいい)
・音楽はオーディオでなくiPhoneやMP3プレーヤーとイヤホンで
(アンプは結構電気を食う)
・深夜電気温水器はやめる
(保温電力が無駄、必要以上のお湯を温めることも無駄、本体を置くスペースも無駄)
・トースターは使わない
(パンならガスコンロで焼ける)
・冷蔵庫は野菜室を使う
(引き出し式の野菜室のあるタイプの冷蔵庫は、冷蔵室の扉を開けるよりも冷気の逃げが少ないので、麦茶など出し入れが多いものは野菜室に入れておくといい)
・休日は外出する
・自販機は使わない
(売れなきゃ撤去するでしょう)


こんな感じでしょうか。節電すれば払わずに済んだ電気代は他に回せるし、節電により生活の質が落ちるほどのことはありません。節電の効果は電気代の数値に現れるので達成感があるし、金額的にたかがしれていても、全国民が協力し合えば、私腹を肥やした電力会社に多大な影響が出るのは間違いありません。そして電力会社は今までの考え方や仕組みを改めることかと思います。そうでもしないと、国民は損をし被害を被り泣き寝入りするばかりですもんね。
節電にご協力を。