最近読んだ本

地方という生き方―僕たちが東京を離れた理由
対談やインタビューを書籍化したような本だったのですが、島田洋七さんの部分がとてもおもしろかったです。しゃべりを文字で表しているので関西弁(広島か?)のまま書かれているのと、思ったことをズバズバ表現していて、なるほど!と思わせることも多く読んでいて気持ちが良かったです。


マインドマップ デザイン思考の仕事術 (PHP新書)
iPhoneアプリのiMind Map Proが出て、日本語も文字化けせずに表示できるようになったので、もう少しマインドマップについて知ろうと思い、出たばかりの本を読んだのですが、やはり自分には向いていないことを実感してしまいました。
この本では、発想を膨らませたり具体化したりするための道具として使うことよりも、作品として完成させることを主眼に置いていますね。実際に出来上がったマインドマップがたくさん紹介されていて、どれも手間をかけて見た目良く作ったものでした。私は発想を補助するツールとして使えれば良く、自分がわかれば仕上がりなんてどうでもいいと思っているだけに、この本を読んで参考になった部分は少なかったです。


Gmailクラウド活用術
大半の内容はすでに知っていたり実践していたりした内容だったのですが、知らなかった部分は結構役に立ちました。例えばGmailの設定のLabsの部分や、iPhoneへメールをプッシュ通知するためにsoftbank宛に転送する方法、Gmail上でTwitterが使える点、iPhoneアプリのGoodReaderとの連携など。
Gmailなどのクラウドサービスはどんどん進化するため、新たな機能などを知らずにそのまま使っている場合が多いだけに、こういった最新の書籍で内容を復習もかねてチェックするといいようです。


家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇
一般の家庭の食事をたくさん撮影してあるもので、よその家族はいったいどんなものを食べているのかがよくわかる本。ほとんどがお粗末な食事ばかりであきれるほどです。故意にこのような食事の写真を選んだのではないかと思うほどだったのですが、実際に自分の食事のメニューもすべて撮影したら、人のことなどまったく言える立場でないかもしれません。
この本は、TBSラジオ久米宏さんの番組で取り上げられていて知ったのですが、最新の放送(5月22日分)では、その続きが放送されていました。
なるほど、今の主婦はその親の代から環境や食生活の変化が大きく、昔から続いていたはずの日本の風土や日本人の体質に応じた伝統的な食事から脱線してしまったわけですね。だからその食事を食べて育った今の主婦に、影響を及ぼしていても仕方がないのかもしれません。もちろん、ちゃんとした調理をしている主婦も山ほどいるわけですが。


生命(いのち)の暗号―あなたの遺伝子が目覚めるとき
これはちょっと古い本ですが、遺伝子に関して研究をされている教授が書いた本で、遺伝子についてわかりやすく書かれていました。
それにしても、今、自分が生きている偶然というものはすごいことなんですね。親を大切にしなさいとよく言われていて、産んで育ててくれた親のおかげで今の自分があるのだからもちろん感謝しないといけませんが、それよりも、自分の親はその親がいないと存在しなかったわけで、そしてその親も必要だし、そしてその親も、親も、親も・・・。
結局、先祖に感謝しなさいとなるわけですが、わかっている先祖の部分なんてほんのわずか。自分の親を永遠とたどって行けば、何千、何万、何億人もいて、人間の前の猿、そして爬虫類、魚類、微生物のシアノバクテリア、もしくは好熱菌とつながって行くわけですね。ずっと切れずに自分までつながっているのです。もし途中のどこかで子供が生まれなかったら、自分がいなかったわけです。そして進化しながらも、その遺伝子は受け継がれて今の自分があるというのは、ありえないほどの偶然というか、数値では表せないような確率です。
また、子供ができれば胎児として母親のおなかにいるときに、羊水に浮かびながら細胞から分裂して手が生え足ができ赤ちゃんになるのですが、これは何億年もかかった細胞から人間までの進化を、遺伝子という設計図を頼りに超早送りして再現していることになります。このこともすごいですね。
生命というものの発生は科学では解析できないためサムシング・グレート(偉大なる何者か)という言葉で表しているそうですが、その神秘を考えだすと宇宙の存在まで考える必要があり、科学を超えた哲学や宗教的な視点でないと説明がつながりません。そして考えても考えてもきりがなく答えは出ず、ただひたすら「すごい」とつぶやくほかないです。
この本を読んだおかげで、自分が今ここに生きているということはとんでもないことなんだと、改めて実感することができました。この著者の本には「アホは神の望み」というちょっと変わったタイトルの本も有名のようなので、読んでみようと思います。