Runmeterでマラソントレーニング

■ランニングとスマートフォン

ランニング時にスマートフォンをウエストポーチに入れて持参すれば、
GPSによるルートとタイムの記録ができる。
・音楽やポッドキャストネットラジオを聴きながら走れる。
・タイムや距離、ペースなどをアナウンスしてくれる。
・電話が使えるため、緊急時も安心。
・走行時にみつけた植物や風景、決定的瞬間などを撮影できる。
・走行直後の脈拍が測れる。↓このアプリで可能
Instant Heart Rate - Heart Rate Monitor by Azumio 2.7.6(¥85)
カルジオグラフ (Cardiograph) 2.0(¥170)
など、いろんなことができて便利です。ストップウォッチとしても使えますが、この用途は腕時計を使った方が便利で、私は安価で見やすく使いやすいこの腕時計を使っています。

GPSログアプリはかなりたくさん公開されていて、いくつか試したのですが、私は多機能なRunmeterを利用しています。

Runmeter GPS ランニングストップウォッチ 7.0.4(¥250)App
カテゴリ: ヘルスケア/フィットネス, スポーツ
販売元: Abvio Inc. - Abvio Inc.(サイズ: 32.4 MB)


■コース設定

私のランニングコースは、自宅の周辺の堤防と、公園の1周2kmの周回コースを利用しています。堤防コースは1km、5km、10km、15kmの距離を設定しています。1kmは直線コース、それ以外は1周コース。それより長い距離は、複数のコースを組み合わせています。
距離の計測はiPhoneのランニング用GPSアプリで計測できますが、Nike+のサイトを利用すれば、パソコン上で簡単かつ正確に計測できます。
NIKE.COM NIKE PLUS
上記のリンク先に飛び、アカウントを作成してログインするか、TwitterFacebookのアカウントでログインします。
上にある「場所」をクリックし、左の「作成」をクリック。「新しいルートを作成」をクリックして、ルートを計測する場所を地図に拡大表示します。
スタートしたい地点をクリックしてマーキングし、分岐点や交差点ごとにクリックしていきます。ルートは直線でなく道なりに進むので、細かくクリックする必要はなく、距離もその都度表示され、やり直しもできます。この機能を使い、自宅周辺で距離ごとの周回コースを調べてみます。できれば、信号や踏切がないルートで、登り下りが少なく、歩行者専用か車の交通量が少ない安全な道路が理想。1周1kmのコースがあれば、それを周回することで他の距離もまかなえますが、同じコースを何度も走ると飽きるし、途中で怠けてランニングを辞めてしまうこともあるので、できれば5kmや10kmのコースを設定するといいようです。それよりも長い距離は、10km2周といった組み合わせの方がルートを覚えやすいです。

屋久島1周はちょうど100kmなんですね。


■練習メニュー

ストレス発散や健康維持が目的でランニングをされている方も見えますが、走り慣れてくると、もっと速く走れるようになりたいとか、レースに出たい、完走やサブフォーサブスリーを達成したい、同年代の平均値を上回りたい、誇れる生涯記録を残したいなど、新たな目標が出てきます。その目標を達成しようと思うと、それなりの練習をする必要があります。ランニングでの効果的な練習方法は確立されていて、

・ジョギング(ゆっくり走る)
・ペース走(一定のペースで走り続ける)
・ビルドアップ走(徐々にペースを上げていく)
・レペティション走(速く走ったあと、一旦停止して休む。これを繰り返す)
・インターバル走(速く走ったあと、ゆっくり走る。これを繰り返す)
・タイムトライアル走(ベストタイムを目指して走る)
・ロング走、LSD(長い距離、長い時間を走る)
・変化走(速く走ったり、遅く走ったりを区間ごとに散りばめる)
・その他(峠走、坂道走、トレイルランニング(山道)、トレッドミル、自転車、筋トレ、ストレッチなど)

があります。ちなみに私は、かなりゆっくりした速度で長い距離を走るLSDは、フォームが乱れやすく、上達効果も薄く感じたので行なっていません。これをするなら、ハイキングや登山のほうが効果的に感じました。


■Runmeterの使い方

私の使い方を書いてみます。Runmeterの「スポーツ時計」というメイン画面。

左上に「ルート」とありますが、私はここを距離別に作成したコースの距離を入れています。「ルート」をタップするとルートの選択と作成ができるので、距離を入力します。

ルートを距離別にしておくと、距離ごとの最速データを知ることができます。「その他」「ルート」「任意の距離」をタップすると、順位表で最速値が表示されます。

順位と言っても、1位、2位、3位が出るわけではなく、1位と平均と最下位が出るようになっています。
また、例えば15kmコースを走ってゴール地点でRunmeterの計測を終了しても、15kmピッタリには止まってくれません。しかし、距離ごとの計測はされていて、順位表、あるいは「カレンダー」から過去のデータをタップし

「通過点、インターバル、範囲」の部分をタップすると、

距離ごとの通過タイムが出るので、正確なタイムを知ることができます。
次に、メイン画面右のアクティビティに、練習メニュー名を新規入力または選択します。

ランニング開始時には、ルートの選択とこのアクティビティの選択をしてスタートをタップなのですが、アプリの起動直後はGPSの検知数が不足し精度が悪い場合があるので、メイン画面の下の「マップ」をタップし、現在地が正しいかを確認しておくといいようです。

Runmeterは音声ガイド機能があり、走行中に日本語でアナウンスしてくれます。アクティビティを練習メニューにしたのは、このアナウンス機能を使いたかったからです。アナウンスの設定は、メイン画面下の「その他」の「設定」の「アナウンス」から変更できます。

私の場合は、1kmごとにアナウンスするようにしています。「距離間隔」をタップするとアナウンス内容を指定できるので、このような設定にしています。

この内容は多くの項目から選べるので、自分の必要なものを指定しておくと便利です。

Runmeterの設定内容は他にもたくさんあるのですが、「その他」の画面に取扱説明書のヘルプが用意されているので、内容を確認できます。
スポーツ時計のメイン画面右上の「アクティビティ」は練習メニューを入れているのですが、これに個別のアナウンスを設定することができます。例えばアクティビティに10kmのビルドアップ走を作成した場合、右上の「+/編集」をタップし、

練習項目のビルドアップをタップ。

ワークアウトとありますが、ここがアナウンス設定部分。私の場合の10kmのビルドアップ走は、
スタート〜5km キロ4分30秒〜4分50秒ペース
5km〜8km キロ4分20秒〜4分40秒ペース
8km〜10km キロ3分50秒〜4分20秒ペース
という配分をしています。それをRunmeterに設定します。

このような設定にすると、スタート時は「遅めのペース」とアナウンスされ、5km地点で「安定した走り」(中速)、8km地点で「速めの走り」とアナウンスしてくれるので、ペースアップすることができます。また、走行中は走行距離やタイムなどをアナウンスしてくれますが、それ以外に、今のペースが妥当かどうかを判断し、走りが遅いと「ペースの上昇」とアナウンスされます。GPSの精度の問題か、アナウンス間隔が狭いと誤差が生じる場合がありますが、区間でなく走行全体でのペースタイムはかなり正確のようです。
ビルドアップだけでなく、一定のペースを走るペース走のメニューでも、この機能が使えます。変化走の場合は、距離毎ではなく時間ごとにペースを切り替えるようにしていて、こんな設定にしています。この変化走は雑誌ランナーズに載っていたメニューです。

Runmeterはツイート機能もあり、下の「その他」「設定」「Twitter」「自動ツイート設定」からツイートする内容を指定できます。下の「完了時に確認」をオフにすれば、Runmeterの計測を開始したり終了したりするだけで、自動ツイートされます。私はここをオンにし、確認後、手動でツイートしています。

ツイート内容の設定も可能で、「完了」をタップすると、ツイートしたい項目を選ぶことができます。

基本画面の「スポーツ時計」の左に小さなアイコンが並んでいるのですが、下から2つ目のメモのアイコンをタップすると、コメントを入れることができます。私はここに、天気と温度、湿度、感想を入力しています。ちなみに温度と湿度を知るには、アイコンのバッジに表示ができるこの2つのアプリを使っています。

Temperature Now! 2.1(¥85)

Humidity Now! 2.0(¥85)

この部分は、ツイートにも挿入することが可能で、ツイート設定で「メモ」の項目を追加しておけばOKです。ハッシュタグの「#run_jp」を辞書登録し、コメント入力時に挿入すれば、ランナーが集うツイートに投稿することができます。

Runmeterの走行データはメールなどへエクスポートできるのですが、Googleカレンダーへも自動エクスポートできます。この機能は他のアプリにはないかと思います。また、Dailymileというサイトへも自動エクスポートされます。

走行データをリストやグラフ表示ができるのですが、NikeやRunkeeperなどに比べるとかなり機能が落ちます。ただ、RunmeterはGPXというデータ形式でエクスポートする機能が備わっており、走行データを個別にメール送信できます。RunkeeperとRuntasticのページでは、このGPXデータをインポートすることが可能なので、1つずつ転送する手間はあるものの、Runmeterで計測したタイムや地図などのデータをウェブで表示させることができます。個人的にはRuntasticの方が機能的に優れているので、その方法を書いてみます。

まず、Runmeterで記録したデータを「カレンダー」からタップし、「Eメール/エクスポート」をタップ。

「GPXファイル添付」をタップし、自分宛にメール送信します。

これをパソコンで受け取り、添付されたファイルを保存します。
”Runtasticのページ”へ行き、アカウントを作成してログインします。
左にある「ワークアウトを追加」をクリックし、次のページの左にある「ワークアウトをインポート」をクリック。

「ファイルを選ぶ」をクリックして、保存したGPXファイルを選択してインポート。

走行ルートの地図や、ペースグラフ、スプリットタイムのリストなどが表示されます。このRuntasticは、1km単位だけでなく、5kmや10kmごとのスプリットタイムもリスト表示できます。1つずつのデータをイン/エクスポートしなければならないのが面倒ですが、どうしてもウェブで扱いたいのであれば、この方法で解決できます。


■記録

Runmeterを使えば、ランニングの記録を詳細に残すことができますが、上達を目指したトレーニングに必要なのは、
実践→記録→反省→課題→タスク化→実践→・・・
というこのループです。「あー、今日も頑張った!」で終わりにしてしまっては、上達は望めません。
例えば、ビルドアップ走での感想に、
「ラストのペースが全然上がらなかったどころか、ペースダウンしてしまった。」と書き、どうすればいいかを考えて書く。
「前半のペースをかなり落として走ればいいかもしれない。次回は6分ペースまで落とそう」
そしてこれをタクス化して、ランニング用のToDoリストに書く。次回のビルドアップ走でうまく行けば、次の課題を見つけて実践で試す。これを繰り返すことで、内容の濃い練習をこなすことができ、上達度はタイムになって表れます。ランニング日誌を記録するのはiPhoneアプリでもGoogleカレンダーでも、紙のノートでも何でも構いません。ランニング直後は充実感があり、体は疲れているものの、精神的な活力がみなぎっています。その間に記録をすることでモチベーションが高まり、次の練習が待ち遠しくなり、ランニングの楽しさが倍増します。
先日、ハーフマラソンのタイムトライアル走を行い、1時間26分32秒のベストタイムを出すことができました。課題としていた、インターバル走での脚力の強化と深い呼吸方法、そして、20kmペース走でのムダのないフォームと適切なストライド走法での成果です。しかし、25分は切りたいと思っているので、次々と新たな課題を見つけて、それを順に消化して力を付けていこうと思っています。

練習法は人それぞれいろんなやり方があるかと思いますが、いくつかの方法を試しながら自分にあったパターンを見つけ、それで成果を出せることができるとうれしいものですよね。iPhoneとアプリのおかげで、高価なGPS機器を買わなくてもプロ並みのデータを残すことができるようになりました。これらを有効に活用すれば、充実したランニングライフを実践できそうです。

Runmeter GPS ランニングストップウォッチ 7.0.4(¥250)App
カテゴリ: ヘルスケア/フィットネス, スポーツ
販売元: Abvio Inc. - Abvio Inc.(サイズ: 32.4 MB)